そば食い友の会用語集
山形のそばは田舎そばです。(事実田舎ですからね)
そばの用語というのは基本的に江戸前のそばを前提にして作られていますが、
それらを田舎そばに当てはめようとすると若干の不都合が出てきます。
(実際、都内にお住まいの方は相当のそば好きでない限り『町そば』などという用語を耳にする事はあまりないでしょう)
しかし田舎そばの用語を定義している文書は残念ながらありません。(←僕が知らないだけかも…)
そこで当サイトだけでもそばの用語を定義しようという
あまりにも無謀なこの企画
『用語定義集』を、普通の用語集を兼ねて作成してみました。
このサイト内に出てくるそば用語は全て下記の意味で使用しております。
- 町そば まちそば
細いそばの事。 『江戸前そば』『藪そば』などとも言うが、当サイトでは『田舎そば』
との対比をより明確にするためそう定義させていただいた。
- 田舎そば いなかそば
太く荒いそばの事。 「色が黒く硬い」との定義もあるが、当サイトでは『町そば』と
区別するためそう定義させていただいた。(白い田舎そば、やわらかい田舎そばもあるんですよ)
- 細打ち田舎そば ほそうちいなかそば
細く荒いそばの事。 町そばとの違いは、挽き方であると定義させていただいた。
(実はこのへんかなり曖昧です。)
- 更科そば さらしなそば
製粉した透明感のある白いそばの事。(田舎そばにも更科はあるため、カテゴライズに苦労します。)
- 藪そば やぶそば
製粉していないそばの事。 細い普通のそばを指す場合が多いが、当サイトでは更科そばに対する
用語として使わせてもらう。(ここらへんが一番めんどくさいですね)
- 江戸前そば えどまえそば
東京近辺のそば。 これも普通のそばを表す場合が多いが、当サイトでは
『山形そば』に対する…あ、上の項目と全く同じ事書いてる。
- 山形そば やまがたそば
山形で食べられるそば。 実は北海道産が多い。山形産のそばはもちろんあるが、物凄く高い。
- もり
もりそばに代表される『せいろやざるや板などに盛り付けてあり、
麺をとってそばつゆにつけて食べるそば』をまとめてそう分類させていただいた。
ちなみに当サイトでは、普通のもりそばは略さずに『もりそば』と表記させていただきました。
- かけ
かけそばに代表される『最初から器の中に麺とつゆが入ってるそば』をまとめてそう分類させていただいた。
ちなみに当サイトでは、普通のかけそばは略さずに『かけそば』と以下同文。
- 甘汁 あまじる
一般的にはかけに使うそばつゆの事であるが、田舎そばではそばを「どっぷりと」つけて食べられるそばつゆを指す。
山形のそばつゆは大抵甘汁である。
当サイトではかけに使うそばつゆは『かけ汁』と定義させていただいた。
- 辛汁 からじる
『からみ汁』とも。 江戸前そばによく使われるそばつゆで、かえしの割合が多く比較的塩分が濃い。
そのため、そばにからめるつゆの量を自分で調整しなければならない。
もちろんこの場合「どっぷり」つけてしまうと、塩分が強すぎてとても食べられたモンではない。
- 二八 にはち
そば粉の割合が8に対してつなぎが2のそば。
「江戸時代、そばを16文で売っていたから『にはち十六』で、そばそのものを指す」
との説もあるが、当サイトではこのように定義させていただいた。
(同じものを別の呼び方で呼んだら混乱するだけじゃないスか)
- 十割 じゅうわり
そば粉の割合が10割、つまりつなぎ無しのそば。 なめらかさに欠けるため、好き好きがはげしい。
『全そば』『生そば(きそば)』とも。
- 十一 といち
そば粉とつなぎの割合が十対一のそば。
パーセンテージに直すと90.9090…%と9.0909…%。 よって『十割対一割』と表記されているのは間違い。(←どーでもいい)
- つなぎ
そば粉に混ぜて使う小麦粉の事。
そば粉よりも安価なため、つなぎの割合が多いほどそばとしての価値が下がると言える。
では十割が一番価値があるのかというと、そういうわけでもない。大変難しい。
- もりそば
麺、つゆ、薬味しかない極めてシンプルなそば。 基本中の基本と言える。
- ざるそば
もりそばに『海苔』がかかっているもの。 『一口大に食べやすく盛り付けてある』との定義もあるが、
田舎そばでそのように盛り付けてある処は少ない。(太いので盛り付けしにくいから)
- 板そば いたそば
文字通り、板に乗ったそば。 大抵の場合分量が多く、大盛りと同じくらい(店によってはそれ以上)の量がある。
- おろし
大根おろしの事。 そばつゆに入れると味が劇的に変化するため、人によって好き嫌いはさまざま。
- おろし汁 おろしじる
大根おろしの汁の事。 大石田(地名)ではこのおろし汁にそばつゆを入れて食する。
辛ければ辛いほど良いとされる。上級者向け。
- わさび
ご存知わさび。 山形では本格的にわさびを栽培しているところが少ないため、
大抵の店で練りわさびを使用している。 僕が思う山形そばの弱点。
- 手打ち てうち
字のごとく手で打ったそば。 一日に作れる量に限界があるため、そばが無くなったら即閉店という店も少なくない。
必ず営業時間中に食べられるというわけではないので手打ちの店に行く場合は注意と覚悟が必要。
- 手打ち風 てうちふう
一部の行程を機械にまかせて打ったそば。 練り方や打ち方に店独自の技術があるため、そう馬鹿には出来ない。
- 工場麺 こうじょうめん
工場で作った麺。 一見取るに足らないようだが、店によってそば粉の割合や練り方などを細かく注文できるのでそう馬鹿にはできない…
が、同じ金を払うなら手打ちの方がありがたいに決まってます。
- だし
出し汁。かつおぶしなどをお湯にくぐらせたもの。 山形そばは大抵の場合鰹節ベース。
- かえし
醤油とみりんと砂糖を煮つめたもの。 割合が難しく、だしよりもこちらのほうが秘伝、という話もある。
ここで書かれた用語を全てサイト内で使用するとは限りませんが(←ていうかほとんど使わない?)、
骨組みはあるにこした事は無いので作成させていただきました。 むしろ定義した事に意義があると考えています。
だからウザいとか思わないでくれると嬉しい…かも。
そんな的外れな事は書いていないつもりですが、
あからさまな間違いやまるで見当違いな事を書いていたならば、
ぜひ管理人までお知らせ下さい。