夏とB氏と太陽と 4

誰でも、「××ってどう思う?」と人に意見を求めておいて、 「××って○○しないとアレだからナニだと思うよ」と真面目に答えたら、 「そんな事より、ラーメン食い行かねーか?」と全く人のハナシを聞かないどころではない知人を 持ってると思います。
今回はそんな僕の友人、B氏のハナシをお聞きください。


第四話 『尻とB氏とネオテニー』


これは僕が中学生の頃のハナシです。
街中にあるOデパートに僕とB氏はいました。(このデパートにはいろいろと思い出があるのですが、その話はまたいずれ)
たいして大きくも無いデパートで、エレベーターも小さなものです。
そのエレベーターの中に、通風孔のような物が上部にありました。

「あの穴ってよぉ、上の方から見るとエレベーターの外が見えるんだぜ」

そうB氏が言います。 僕は通風孔を見ました。ジャンプすれば余裕で届く高さです。 手をかけられそうな出っ張りもあります。
僕はひょいっと飛び上がって通風孔から外を見ようとしました。  しかし通風孔の中は曲がっていてなかなか外を見る事ができません。
位置が悪いのかなーと顔の角度を変えていた時、B氏の眼が光りました!(←いや背後なんで見えないんですが、多分)
人差し指だけを曲げずに両手を組み合わせ―
小学校の頃、『カンチョー』をやった方は多いと思います。(『七年殺し』とも)
僕の通っていた小学校では、児童の一人がカンチョーをやられて救急車で運ばれるという事件が起きてから 『カンチョー禁止令』が発令され、それ以来カンチョーをやる児童はいなくなりました。
もちろん中学生になってからはそんな子供じみた事をやる人はいない…はずなのですが

「カンチョー!」

それから先はよく覚えていません。 覚えているのは床に真横から落下した事、長いこと動けなかった事、 涙とよだれを流してうめいた事だけです。

そんな事があってから、僕はなんとなくB氏に背後を取られるのが嫌になりました。(これは今でもそうです)
しかししばらく前に、B氏から
「悪りぃんだけどその本取ってー」
と言われてB氏につい背後を向けてしまったのです。
その時B氏の眼が光りました!(←いや、絶対)

「カンチョー!」

それは全然軽いものでしたが、B氏によってトラウマを植え付けられた僕には飛び上がるほどの恐怖でした。
さすがにマジギレして文句をガトリング砲のように矢継ぎ早にまくしたてたのですが、 B氏はなぜ僕がマジギレしているのかわからずにキョトンとした顔をしています。
そこで上記の懐かしくもなんともない思い出を事細かに説明すると、さすがに悪いと思ったのか

「本当に悪かった。もう二度としない」

と約束してくれました。 彼も人に迷惑をかけた事を反省できる様になったんですね。  これで僕のお尻にやっと安息の時が訪れました。 

のはいいんですが、ついこないだ僕とB氏ともう一人の友人と三人で歩いていたんです。

「××ってどうよ?」
「アレは○○がナニで―」

とB氏の質問に真面目に答えていたら、B氏は僕に話させている途中なのに突然前に歩いていた友人のお尻にむかって、

「モミモミ!」

と友人の尻を揉み始めました。 「もう二度としない」というのは僕に対してはもう二度としないという意味だったんですね。
…ターゲットが変わっただけかよ!


最後に B氏へ

その一 これ以上、人のお尻に興味を持たないで下さい
その二 人の話は最後まで聞いて下さい
その三 成長して下さい


『尻とB氏とネオテニー』 終 
(註 『ネオテニー』とはウーパールーパーのような、年月を得ても大きさ以外成長しない生物の現象の事です。)


この物語はフィクションです。実際の人物、事件などとは異なります。
(まぁその友人が標的にされている限り、僕は安全なんだけどね!)


<ノートトップへ戻る
<<iトップへ戻る
無料ホームページ出会いブログ